カタログ制作において、まずクライアントが文字原稿をチェックし終わったら、制作側で赤字部分を直し、さらに撮影が終わったら原稿類の揃った企画ごとに入稿をします。入稿指定のみDTPで、あとは従来製版で行います。カタログでは、商品の色の忠実な再現が重要なテーマになります。というのも、消費者は実際に商品を手にとって見ることができないので、カタログに掲載された写真が唯一の情報源となるからです。忠実な色再現のために、以下に述べるような方策がとられています。まず、撮影前の段階で注意することはフィルムの現像液の選択です。一口にフィルムと言っても、色々な種類があり、そのすべてが同じ発色をするわけではありません。種類によって、赤みが強くなるといった傾向があったりします。そのため、本番の撮影を行う前に何種類かのフィルムで商品のテスト撮影を行い、色の傾向を確認しながら実際に使用するフィルムを選択していくことが大切になってきます。

また、このようにフィルムを選択しても、現像液によっても仕上がりの調子が変わってきます。そのため、現像液についても事前にテストを行い、狙い通りの調子が出るものを選択することも大事です。次に、製版の段階では、入稿前に印刷会社のプリンティングディレクターを含めて商品を見ながら打合わせを行います。そうして、この商品のどの色を生かすのか、あるいは希望の色にするためにどのような調整をすればいいかといったことを、商品ごとに色調指示シートに記入します。製版のオペレーターは、このシートを見ながらスキャナの設定を行うのです。このように、カタログでは特に色の再現性が大きな問題となるため、何回も色校正を行うように思いますが、版下校正、色校正と2回で済ますのが一般的です。もし初校に対して赤字が入った場合は、もう1度プリンティングディレクターを含めて打ち合わせを行い、再度。色調指示シートを書いてスキャニングし、再校を出すことになります。しかし、校正が終わってもまだ気は抜けません。校正は見開き、あるいは4ページの単位で印刷されますが、本番の印刷では、印刷やその後の製本の効率を考えて、8ページや16ページ単位で面付けして行います。

そのため、面付けされた状態を見て、どの色がどの色に影響されるかなどの確認を行い、実際に印刷を行う時は、インクの量を調節して対処します。このように、幾重にも色再現のための対策をして印刷に臨みますが、最後に、刷り出しのチェックも忘れずに行うようにします。

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