インターネットが普及した現代でも、雑誌は主要マスメディアのひとつとして一般市民に親しまれています。薄いものでも100ページ以上、厚いものになると300ページくらいのページ数がある雑誌ですが、どのように作られているのでしょうか。実は雑誌は広告ページから製作されていきます。出版社の広告局が出稿企業に向けた広告料金表には、原稿は早いもので60日前、遅いものでも40日前に締切日が設定されています。例えば3月1日に発行される雑誌でしたら、どんなに遅くても1月20日には広告原稿を出版社に渡さなければなりません。なぜなら出版社では広告ページから作りはじめるからです。このことは、ファッション誌、情報誌、週刊誌などの雑誌のカテゴリーにかかわらず同じです。良い例が週刊誌です。週刊誌は巻頭と巻末にカラーのグラビアページがあり、その次にモノクロのグラビアページがあります。

そして中面には、わら半紙のような紙に印刷された活版ページがあります。週刊誌は発行日の前週に起こった出来事を詳しく報道するという使命がありますので、発行日の直前まで記事を書かなければいけません。とは言っても、発行日の数日前から全ページを印刷したのではとても発行日には間に合いません。週刊誌の部数は何十万部という単位です。さらに1ヵ所の印刷所で刷った後は、全国の駅売店や書店、コンビニに配布しなければいけません。そこで大部分のページをあらかじめ刷っておくのです。カラーの広告ページから刷りはじめ、一番最後に刷るのは活版ページの最新記事のページです。月曜日発行の週刊誌ですと、毎週土日は印刷所はフル回転で稼働しています。何十万冊という雑誌が一気に印刷、製本され、人海戦術で大人数のアルバイトによってスピーディに梱包、発送作業が行われます。出版社の制作部門の社員にとって大切な仕事のひとつに機械取りという業務があります。機械取りとは、印刷所の輪転機を自社の出版物を刷るために押さえておくことを言います。締切日の直前に大きな事件や事故が発生した場合は、週刊誌の編集部では締め切りを遅らせてでも最新記事を入れようとします。

ジャーナリズムとしては当然のことなのですが、こうなると大変になるのが制作部門の社員です。編集部からは輪転機を回す時間を遅らせろと言われ、印刷所からは早くしないと他社の雑誌を刷るよと言われる中で、輪転機を確保しておかなければならないのですから大変な仕事です。

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